吉見百穴

市野川東岸、凝灰質砂岩の岩山に掘られた古墳時代後期～終末期の横穴墓群。現在確認できる横穴の総数は219基、高低差約20mの斜面に開口している。横穴は玄室・羨道・前庭からなり、玄室に棺座を設けたものが多く見られる。明治時代に発掘調査が行われ、人骨のほか玉類や武器、土器類などが出土した。6世紀末～7世紀後半の築造。国指定史跡、1923（大正12）年指定。

戦時中には岩山最下部に軍需工場建設のためのトンネルが掘られ、縦横に交差する巨大な穴が開口している。夏でもトンネル内はヒンヤリしており、クールスポットとして人気がある。

また、低部に位置する2基の横穴内にはヒカリゴケが自生しており、1928（昭和3）年に国の天然記念物に指定されている。