明日香村南西部、阿部山集落に所在する飛鳥時代の壁画古墳。
墳丘は下段直径13.8m、上段直径9.4m、高さ3.3m、2段築成の円墳で、版築によって構築されており、石を詰めた排水溝を備える。古墳は丘陵の南側斜面に位置しており、墳丘築造前には斜面を削り出して基礎造成を行っている。
1983(昭和58)年、ファイバースコープによる埋葬施設の内部調査で、玄武の壁画を確認、高松塚古墳に次ぐ国内2例目の壁画古墳として注目を集めた。埋葬施設は南の方向に入口をもつ横口式石槨で、内法で長さ約2.4m、幅約1m、高さ約1.1m、凝灰岩の切石を用いて構築されている。壁面全体に漆喰が塗られ、1998(平成10)年のデジタルカメラによる石室内調査では、青龍や白虎、天文図、日像・月像等の壁画が存在することが判明した。盗掘に遭っていたが、熟年男性とみられる人骨片や漆塗りの木棺片、金銅製飾金具、銀装大刀、玉類などが出土している。7世紀末~8世紀初頭の築造。
キトラの由来は、周囲の字名「北浦」が訛ったという説と、亀と虎の壁画を見た人の伝承が残ったという説がある。
2000(平成12)年7月、国史跡に指定。同年11月には特別史跡に指定。
2001(平成13)年3月、石室内部の南壁で朱雀の壁画が確認される。同年6月、文化庁に「特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会」が設置される。
2003(平成15)年8月、石室内の発掘調査や壁画の保存修復作業等を行うための仮設覆屋が墳丘南側に設置される。
2004(平成16)年、漆喰が壁面から剥離している箇所が多数存在することが判明。同年7月、青龍・白虎等の取り外しが決定される。9月には壁画の全面取り外しの方針が決定される。
2006(平成18)年5月、剥ぎ取られた壁画のうち、白虎が奈良文化財研究所飛鳥資料館で一般公開される(以降、その他の壁画も同資料館で随時一般公開が行われた)。
2008(平成20)年5月、文化庁に「古墳壁画保存活用検討会」が設置される。同年11月、天井部の天文図が取り外され、絵が描かれている部分の取り外しが完了する。
2009(平成21)年8月、第6回古墳壁画保存活用検討会において、当面の間、壁画を石室外の適切な施設で保存管理していく方針が決定される。
2010(平成22)年4月、文化庁に「古墳壁画の保存活用に関する検討会」が設置される。翌5月、キトラ古墳壁画の保存管理場所として、国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区内を念頭に検討を進めていくことが決定される(第2回検討会)。同年11月、全ての壁画の取り外しが完了。取り外した壁画は修理・保存のため国宝高松塚古墳壁画仮設修理施設に搬送、その後、壁画修理作業室の一般公開と併せ複数回公開される。
2013(平成25)年8月、墳丘整備に伴い閉鎖されるキトラ古墳の石室が初めて一般公開される。その後、埋め戻し作業が行われ、同年12月に完了。仮説の保護覆屋も年度内に撤去されるようだ。
高松塚古墳・キトラ古墳(文化庁HP)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/takamatsu_kitora/index.html
明日香村埋蔵文化財展示室に石槨の実物大模型が展示されている。
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明日香村キトラ古墳 天井壁画が日本天文遺産に認定/奈良
9/8(火) 19:29配信 奈良テレビ放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/474e0d2086f6316494bc281f1cd6d5ff4b13ffcb
周辺が綺麗に整備され、四神の館が出来ていました。
キトラ古墳壁画体験館「四神の館」 | 明日香村観光ポータルサイト 旅する飛鳥
http://asukamura.com/?page_id=9221
キトラ古墳仮設保護覆屋がなくなっていました。