柴又八幡神社古墳

江戸川右岸の微高地上、柴又八幡神社の境内に所在。墳丘は失われているが、前方部を北西に向け、墳丘の周囲に溝が巡らされていた古墳時代後期の前方後円墳だったと推定されている。過去の発掘調査では、墳丘上に配置されていたとみられる円筒埴輪や朝顔形埴輪、人物埴輪、馬形埴輪が出土しており、このうち人物埴輪1点は柴又の大スター・寅さんに似ているとして注目を集めた。
埋葬施設は横穴式石室で、石材には千葉県富津市周辺で産出する凝灰質砂岩（房州石）が使用されている。古墳からは埴輪のほか直刀や馬具、鉄鏃、須恵器などが出土しており、6世紀末～7世紀初頭の築造と考えられている。
社殿下に復元保存された石室は1976（昭和51）年に区指定史跡（指定名称：柴又八幡神社の古墳石室）、出土埴輪は2011（平成23）年に都指定有形文化財・考古資料に指定された。

参考資料：現地説明板　ほか

葛飾区郷土と天文の博物館（出土品展示）
http://www.museum.city.katsushika.lg.jp/index.php