波多子塚古墳

奈良盆地東部、西に延びる低く細長い尾根上に立地。現状で墳長140m、後方部幅50m、前方部長さ90m、幅14m、葺石・周濠を備える。前方部は「え！？大丈夫？」と心配したくなるほど細長いが、これは築造当時の本来の姿ではなく、後世の開墾等によって激ヤセしたと考えられている。後方部は葺石等を転用したと思われる石垣によって変形しており、墳頂付近では板状の石材が多く使用されていることから、埋葬施設は竪穴式石室だったと推定されている。なお、墳丘北側の外堤上では未盗掘の板石積み小石室が見つかっているが、人骨や遺物等は確認されておらず、詳細は不明。墳丘斜面や周濠部等からの出土遺物に朝顔形埴輪や鰭付埴輪、特殊器台形埴輪などがある。4世紀前半の築造。

参考資料：現地説明板　ほか